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2004年1月31日

2004年1月、再びシリアへ

今回はパリ経由

ダマスカス行き乗り継ぎ便スケジュールの関係で、今回は、パリ経由となった。パリのホテルは、 これまでJALが利用していたWestminsterからMillennium Operaに変わっていた。場所は、オペラ座に 近いギャラリ・ラファイエットから5分程度のオスマン通り。30分程度でCDG空港へ行ける。成田も もっと近いといいのにな。

Nikon D100

シリア出張のため出発前にD100を購入。そしたら3月にD70という廉価版の発売が発表された。 定価ベースで半額。でも出発時にはなかったらね。試撮りをしているのだが、ややアンダー気味 に写る。

レンズをTokina24−200のズームにしたのだが、デジタルでは1.5倍になるので24mm が35mm相当となる。もう少し広角がほしい気分。D70+レンズの場合のレンズが18mmからの ズームらしい。これで27mmだからこれくらいが丁度良い。24-200は望遠にするとやたら暗 くなりシャッタースピードが遅くなりぶれやすい。

シリアの生活

冬は寒いダマスカス

ダマスカスに着いた翌日はまあ晴れたがその翌日から天気が崩れ、雪や雨が降った。カシオンの山は 雪化粧された。雪の日にホムス、ハマ、アレッポ、ラタキアなどへ地方出張した。ダマスカスから 北上したのだが、アンチレバノン山脈の端がシリアへの延びているマアルーラあたりまでは峠越え なので濃霧と雪で緊張した。月別年間平均気温をみると東京と差ほど変わらない。

Eid

ハッジ(メッカへの巡業休み)休暇が2月1-4日、金曜日を入れて土曜日と木曜日を休みにすると 9連休なり。イスラムの社会ではお正月のようなもの。休み前には街は買い物客で賑わう。休み期間 中はほとんどのお店は休みになる。しかし、それはイスラム教徒地区でのこと、キリスト教地区へ行 けばお店は開いている。

週休二日制の導入

これまで金曜日が休みだったが2月から金曜日と土曜日の週休二日制が導入される。 就業時間は8:30-14:30が7:30−15:30に変更される。これは公務員向け。

ダマスカスの大気

環境の専門家によると逆転現象が起こっているという。確かにダマスカスに着いた翌日、メリディアン ホテルから街を眺めると霞んでいた。翌日雨が降りその後はハッキリ遠くまで見渡せた。原因はセルビス (乗合ミニバス;主にディーゼルエンジン)やタクシーによると浮遊状粒子物質によると思われる。 最近タクシーは20年以上使っているものを新しい廉価な車(ダチア(ルーマニア製)、イラン製、 韓国製等)に更新した。これまではほとんどが日本の中古車を使っていた。セルビスもほとんどが 日本の中古バンを輸入して使っているのだ。

フォーシーズンズホテル

メリディアンホテルよりやや中心、アサドブリッジの先に新しい高級ホテルが建設中だ。このホ テルはサウジアラビア皇太子の投資らしい。建設中の建物を見るとホテルだけではなくショッピ ングアーケードもあるようだ。かなりインパクトのある建物で、ダマスカスも徐々に変わりつつ ある。完成すればシェラトン、メリディアン、フォーシーズンズと高級ホテルが3つになる。

シリアの電話事情

固定電話は市内は均一料金となっている。したがって事務所などでは長電話をよく見かける。

携帯電話はSyrTelと94(レバノン資本)がある。2年位前は月ぎめしかなかったらが最近 プリペイド式が導入された。これは出張者には便利である。ヨーロッパと同じGSMシステムを 使っている・

シリアのインターネット

シリアテレコムとSCS(シリアコンピュ−タソサエティ)の2種類がある。全社は通常の電話料金 の請求書に課金される。後者は通常の従量制課金システム。前者は制限が多、くメールは他のプロ バイダーのメールを読むことができないが後者は読める。ローミングを利用する際は隣国レバノン かヨルダン、若しくはヨーロッパへ電話する必要がある。

アラビア語

いつまでたってもなかなか覚えない。もう少し連続して滞在することが必要かもしれない。

インシャーアラー

安全なシリア、だねど危険な女性の一人旅

他の途上国と比較して非常に安全な印象を受ける。時々物乞いはやってくるがそれ以上のことはこれまでなかった。警察機構がかなり発達していることとイスラムの教えによるのではと思う。

しかし、女性の一人旅は何かと問題が多い。イスラムという文化的な背景もあるかもしれないが、まあ、凶悪犯はないようだが、お知りを触るなどの痴漢行為やストーカー行為が多いと聞いている。

これは、イスラム的な解釈からすると、一人で女性が歩いていることは、フリーという意味らしい。よって、私にも権利があるんじゃないかと考えるのだと聞いたことがある。よってシリア人の女性は一人歩きはほとんどしないようだ。

シリア人

非常に正直な人たちが多い。

お金が無いときはお金がない。

お金があるときはハッピーハッピー。

ショッピング

割合定価販売が多い。シリア人は多分そこから交渉するのだろう。最近増えた新しいワールドブランド のブティックなどは定価販売のようだ。昔からの商店では値切り交渉が前提の印象。

それでのシリアの物価は近隣諸国と比較しても低廉だ。

シリア人気質?

シリアでは割合気軽に政府のトップに会える。大統領や首相は別として、大臣や副大臣などは 割合気軽にアポが入る。もちろん仕事の話なのだが。今の仕事のCPは地方行政・環境省の副大臣、 直接打合せすることは日本や他の国ほど難しくない。

きっと、権力の中枢は違うところになるのではないだろうか?

気さくな警察官

カメラを向けるとポーズをとる警察官が多い。挨拶をすれば返してくる親しみのある警察官 だ。交差点ではスズキの白バイを止めて交通整理をしている姿をよくみかける。

ノスタルジックな車

シリアでは古くは30-40年代のクラッシックカー、や50-60年代のノスタルジックな車をよく 見かける。Mercedes の62年式はまだ現役でタクシーとして使われている。

複雑な行政機構

旧ソ連の影響を強く受けた行政機構のように感じる、したがって非常に複雑な構成となっている。そして、組織改革が進められているが今なおその組織体制が残っている。また、政党との 関係も旧ソ連と酷似している。これからそれを一つ一つ紐解いていかなければシリアを理解できない。

シリアの衣類

シリアの服のサイズ

S、M、L、XL、XXLとあるようだが同じメーカーでもモデルによってどうもサイズが違う。私の場合、 ワイシャツがMだったりLだったりする。したがって、買うときは必ず試着する必要がある。 サイズの標記も3,4だったり48、50だったり多様だ。

コットン製品

シリアでは、品質の高い綿花が取れ、綿製品は優れものが多い。

Al Hamraへ行けばその内容がわかる。

ベネトンMade in Syria

シリアにはライセンス生産のベネトンがある。Eidの前からウインドウには他のお店同様30% OFFとう赤いポスターが目立った。前回滞在したときより店舗数が増えたようだ。そこでいくつ かの衣類を現地調達。先に述べたサイズが異なるのはベネトンのこと。綿製品はなかなか気に いっている。

シリアの食

アラビアコーヒー(トルココーヒー)

通常カルダモンを混ぜてある。コーヒー豆はカルダモンの混合割合が5%、10%と高くなるに したがって50SP(200g)、60SP、70SPと値段が高くなる。

アルギレ

水タバコである。水を通してタバコを吸うから非常に軽い。アップル、ストロベリー、ローズなど の味がある。かなり長い時間すっていてもなくならない。どうなっているのだろうか非常に不思議だ。

アラビックコーヒーとエスプレッソ

パリの街角で容易に飲めるエスプレッソは、ダマスカスではカフェを選ばないとない。最近新たなカフェが増えたのでエスプレッソマシンを置いているカフェも少なくないが、やはりここではアラビックコーヒーが主流を占める。 メリディアンホテルでエスプレッソを飲むと175SP、アパートの近くの真新しいカフェでは75SP、近くの ピッツェリアでは50SPだ。(1ドル=52SP)

シリアで飲めるワイン

レバノン産のkusaraは350SP、もう一つ美味しいレバノン産のワインがある。名前を思い出さない。ワインを売っている酒屋は知っているのだが・・・。このレバノンワイン、あまり知られているないが私の一品のひとつなのだ。

料理のボリューム

とにかく多い。全部食べていたら太ること間違いなし。半分か3分の1で十分。だからサンドイッチ程度が丁度良い。

最近、アブロマーニには小洒落たカフェが多くなった。このあたりでちょっと食べるのが丁度よい。

シリアの慣習では、食事を残すのが良しとされているので、全部食べなくてもの良いかもしれないが。

ダマスカスの水

水道水は飲まないようとのことだが、カフェ等でカフェを注文したときに一緒に出されるグラス の水は水道水のようだ。これまで何度となく飲んでいるが、今のところ問題はない。

ミネラルウォーターにBOUKEINというダマスカス産の銘柄がある。標高5000フィートの場所 で採取したとラベルに書いてある。普段はこれを飲んでいる。

シリアの物価

食料品は概ね安い。パン1kgで40SP、オレンジは少し高く1kg40SP、トマト1kg20SP。

ファラフェル(マメを挽いて揚げたものを野菜やピクルスと一緒にシリアのパン:チャパティみた いなもの、に巻いたサンドイッチ)は15SP、ファラフェルの代りにローストチキンを入れたシャワル マ・チキンは20−25SP。 お昼はこれで事足りてしまう。タクシーも安い。10SPからはじまる。街中は一回25SPで足りてしまう。

シリアの住

メリディアン・ダマスカス

メリディアン・ダマスカスにアパートが見つかるまで滞在した。カシオン山側の部屋からは、いろい ろな表情を見せるカシオンが望める。また、イスラム教とキリスト教の融合した都市ダマスカスが眼下に ある。

アパート

今回は時間をかけずにJICA事務所に近いところにした。よって値段はかなり高く月1200ドル となった。短期ゆえ致し方ない。 建物はかなり古いがよくメンテされている。この季節暖房がないと寒いのだが、ヨーロッパと同じ 輻射熱による暖房システムが付設されている(セントラルヒーティングではなく戸別)。燃料は灯油、 イタリア製のボイラーが台所の上、ストレージスペースに設置されていた。


家具類は見かけよりは非機能的だ。ソファーは問題ないが、テーブルを仕事机として使おうとすると イスの高さとかイスの座り心地とかが気になる。バスタブも小さ、洗濯機は乾燥が付いていないなど若干の機能不足を感じる。ここのマスターベッドルームのベッドは割合寝心地が良い。何分一人寝なのが問題だが。

アパートの天井高

シリアのアパートの天井は高い。3.75mが標準だそうだ。夏は40度近くになるから高くしてある。 日本の我が家は2.6m、それでも標準の2.45mよりは高いのだが。

ダマスカス都市交通計画調査後

調査は、1999年に終了した。その後、ダマスカス市は自前の予算でFSを実施し、交差点改良を進めている。ウマイーン広場は若干修正 されたがアンダーパスが完成間近であり、2月1日にはソフトオープンした。アバシーン広場 アンダーパスは現在建設中、2ヶ月以内に竣工とのこと。ロシア大使館前のアンダーパスは既に 供用を開始して1年を経過する。バプシャルキ門前の内環状線アンダーパスは供用して2年程度経過する。その後の資金援助なしにダマスカス市が独自でプロジェクトを実施したことはJICA 調査が効果的であったと信じる。ただ、ヒジャジトンネルは工法が難しいし、フィージィビリティが課題だ。

ホムス

前回の調査のときに何度か訪れたことがある。今回はアル・バース大学石油化学部長とアポ、 前回のときお世話になった教授(アルギレをお土産にもらった:これは目をつぶったからかも しれない)とも会う。環境支局は初めてだったが副支局長とは何度も会っていた。

ここも天候悪く道が泥だらけ。夏場とは印象が異なる。石油精製工場と肥料工場は相変わらず 臭い匂いを撒き散らしていた。

アレッポ

今回で3回目になる。天気悪く市内の道路は泥だらけ。アミールパレスホテル(4星)に泊まった が値段ほどのホテルではない。70ドルくらい払ったのだが、レジデントやシリア人は30ドル相 当だった。まだ二重価格製なのだ。

部屋にはコンセントがない。それは以前部屋で料理をする人が多くぼや騒ぎになって依頼コンセン トを塞いである。よって携帯電話やPCの電源はトイレのシェーバー用電源から取る以外ないのだ。

アレッポの魅力の一つ、ジャスミンハウスレストランは、旧市街、石造りの街並みの奥まったと ころにある。レストランの下にトンネルがありそこからアレッポ城へ繋がっている。そのトンネル は夏はバーになる。

ハマ

オランテス川に設けられた水車でその名を馳せている。木製や鉄製の水車が39?あるらしい。

仕事の後、お昼をここで食べたのだがレストランの名前が"4つの水車"という。 ハマは肉が美味しいというのでシシ(ラムのミンチを棒に巻いて焼いたもの)を食す。確かに味わい のある肉だった。

アレッポからラタキアへ

この道は峠を2回越えるルートで道幅が狭く大型のトラックが多くかなり険しいのだが、並行 して道路の新設工事が進んでいた。これが竣工すればアレッポ-ラタキア間の流通がかなり改善 されるだろう。

このルートと並行して鉄道があるのだがスピードが遅く貨物中心である。運行頻度も1日1便 程度か?

ラタキア

前回の調査でここにしばらく滞在した。冬場はどこも同じ雨がよく降った。ラタキア市内に フライオーバーとアンダーパスが出来ていたので驚いた。急遽予算がついたのだろうか。しか し、コンテナターミナルからトレーラーが街の外へ出やすいルート設計かと思ったがどうもそ うではないようだ。コンテナを積んだトレーラーはコルニシを経由して幹線へアクセスしてい る様子、あまりフライオーバーとアンダーパスの効果がない印象。

よく通ったピザ屋でランチ、味は変わらなかった。夜は以前住んでいたアパートの前のレスト ランSOMARで美味しかったロースとチキンを再度挑戦するが、どうも味が変わったような印象 だった。

ラタキアは港湾都市。デルゾールで産出する原油をここから積み込んでいる。イラン産原油は パイプラインでバニアスまで運ばれ石油精製所で石油製品にして輸出される。シリア産は硫黄 分が多いためなのか原油のままのようだ。

ラタキア港は円借款でコンテナーターミナルが整備される予定だったが、イスラエルが米国を 通じて日本政府に圧力をかけたため中止状態である。これは、ラタキア港が軍港と隣接してい ることに由来する。

タルトゥース

ラタキアから1時間程度、バニアスのセメント工場と石油精製工場を横目に高速道路のような 幹線道路を南下する。前回のときはここからフェリーで沖合いに浮かぶアルワッド島へ観光し たが今は海が荒れそれどころではなかった。

港の前のレストランでランチ。支局長を招待した。支払うときに驚いたが魚は1キロ1600SP らしい。でも美味かった。魚はシリアの中で最も高い食材である

交換レート

1米ドル=51.5SP 1SP=約2.1円
by a.iio(Jan.31,2004)